クレーンの運転士免許を取るだけではクレーンオペレーターの仕事はできない!?
掲載日:2022年10月07日
更新日:2022年11月18日
目次
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1. クレーンを運転するには資格が必要
クレーンを運転するには資格が必要です。
しかし、クレーン運転士の免許だけでは、クレーンオペレーターの仕事をするのは難しいことをご存知でしょうか?
労働安全衛生法施行令で定められた内容で、クレーンの運転の業務については、クレーン・デリック運転士の免許などがなければ、業務に携わることができないとされています。
ですが、クレーンを操作する資格だけでは、一般道路を走行したり、玉掛け作業をしたりすることはできません。
建設現場や工事現場、工場などでクレーンオペレーターとして作業を行うには、クレーンの運転士免許はもちろんですが、その他にも重要な資格があります。
どういうことか詳しく見ていきましょう。
2. クレーンの運転に必要な資格とは?
クレーンを運転するには、必要となる資格を取得しなければなりません。
必要となる資格には、「免許」「技能講習」「特別教育」の3種類があります。
「免許」が最も優位性があり、その下が「技能講習」、最後に「特別教育」という順番になっています。
どのように違うのかというと、例えばつり上げ荷重が5トン以上の移動式クレーンは、「免許」がないと運転できません。
1トン以上5トン未満の移動式クレーンは、「技能講習」の資格で運転することができます。
1トン未満の小型の移動式クレーンは、「特別教育」の資格で運転することができます。
このように、どのようなクレーンを運転するかによって、免許、技能講習、特別教育のどの資格が必要か決められているのです。
3. クレーンの種類によって異なるクレーンの運転士免許
クレーンの運転に必要な資格は、どのようなクレーンを運転するかによって変わってきます。
では、クレーンにはどのような種類があるでしょうか
クレーンの種類
- 5トン以上の荷重を持ち上げられるクレーン
- 床上運転式クレーン(操作する人と荷物が一緒に移動するもの)
- 移動式クレーン
- 小型移動式クレーン
- 床上操作式クレーン
このようなものがあり、「クレーンの構造」「つり上げ荷重」などによって分類されていて、それぞれのクレーンを運転するには、必要となる資格を取得しなければなりません。
「免許」を取得する場合、運転することのできるクレーンは以下のようになります。
- クレーン・デリック運転士免許(限定なし)
- すべてのクレーン・デリック
- クレーン・デリック運転士免許(クレーン限定)
- デリックを除くすべてのクレーン
- クレーン・デリック運転士免許(床上運転式クレーン限定)
- 床上運転式クレーン
- 移動式クレーン運転士免許
- 移動式クレーン(一般道の走行には「大型自動車第一種免許」も必要)
- 揚貨装置運転士免許
- 船舶に取り付けられたデリッククレーン
デリックとは、本体とは別に設置された動力(ウインチ)からワイヤーをのばして、本体の操作を離れたところから行うことができるものです。エンジンでワイヤーを巻き取ることで、離れたところにある本体を操作します。
つり上げ荷重が5t以上のデリックを運転するには、「クレーン・デリック運転士免許(限定なし)」もしくは「旧デリック運転士免許」のどちらかが必要です。
また、移動式クレーンで一般道を走行する際は、移動式クレーンの運転免許のほかに「大型自動車第一種免許」も必要になるので注意が必要です。
クレーンの運転士免許は、満18歳以上であれば、全国7カ所にある安全衛生技術センターで行われる免許試験を受け、合格することで取得することができます。
各都道府県の登録教習機関で「クレーン・デリック運転実技教習」を受講して、修了試験に合格すると「実技試験」が免除になり、学科試験のみとなります。
その他の資格でも免除される学科や実技講習がありますので所持している資格を確認しましょう。
4. 免許がなくてもクレーンの操作ができる?
クレーンの運転士免許ではなく、そのほかの資格で操作できるクレーンもあります。
免許ではなく、「技能講習」でクレーン操作の資格を取得する場合は、以下のようになります。
- 小型移動式クレーン運転技能講習
- 吊りあげ荷重が5トン未満の移動式クレーン
- 床上操作式クレーン運転技能講習
- 床上操作式クレーン
小型移動式クレーンは、吊りあげ荷重が5トン未満の移動式クレーンで、トラッククレーンやホイールクレーン等、工場や建設現場での仕事に使われています。
こちらも移動式クレーン運転士免許と同様に、公道を移動する場合は、車両の大きさに合わせて普通免許以上の運転免許が別途必要になります。
床上操作式クレーンは、工場などの天井に設置されているクレーンで、運転士が操作するときに荷物と一緒に移動するようなつくりになっています。
床上運転式クレーンとの違いは、運転士が荷物と一緒に移動するかどうかになります。 床上操作式クレーンでは、運転士が荷物のそばにいるため細かい操作をすることができますが、荷物が運転士とぶつかるなどの危険が伴います。
床上操作式クレーンは、「クレーン・デリック運転士免許」があれば操作を行うことができますが、操作方法が特殊なため、床上操作式クレーンの操作を行う場合は、免許があっても床上操作式クレーンの技能講習を受講することが勧められています。
「特別教育」でクレーン操作の資格を取得する場合は、以下のようになります。
- クレーン運転特別教育
- 吊上荷重5t未満のクレーン
- 移動式クレーン運転特別教育
- 吊上荷重が0.5t以上、1t未満の移動式クレーン
- デリック特別教育
- 吊上荷重0.5t以上5t未満のデリック
- 跨線(こせん)テルハ
- 鉄道で使われていて、ホームからホームへ架線をまたいで荷物を運ぶテルハ
つり上げ荷重が0.5t未満のクレーンやデリックは、特に資格の取得は義務ではありませんが、仕事で使用する際には労働者の安全衛生上、特別教育などの受講がすすめられています。
5. 工場でクレーンオペレーターの仕事をするには
工場で使われているのは、天井吊り下げ式のクレーンが多いです。
未経験の状態で、工場でクレーンオペレーターの仕事をする場合、クレーン運転特別教育を受講することで、吊上荷重5t未満のクレーンであれば操作することができます。
床上運転式、床上操作式のクレーンであれば、それぞれ必要とされる免許や技能講習、特別教育の資格があればクレーンを運転することができます。
しかし、実際にクレーンで荷物を吊り上げるには、荷物をクレーンのフックに掛けなければなりません。
そのためには、さらに別の資格がないと仕事にならないのです。
それが、玉掛け技能講習です。
玉掛けとは、クレーンで荷物を吊り上げる際に、荷物を固定したワイヤーをクレーンのフックにかけたり外したりする作業になります。
玉掛け技能講習の詳細はこちら実は、この玉掛けの資格こそが、工場でクレーンオペレーターの仕事をするのに最も役立つ資格なのです。
工場でクレーンオペレーターの仕事をしてみたいという方は、まずはこの玉掛け技能講習の資格を取ることをお勧めします。
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