製造業の基本「5S活動」とは?【お仕事情報ネット】

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最終更新日:2024年04月18日 掲載案件数 242760
製造業未経験の僕が実際に工場で仕事してみた

製造業の基本「5S活動」とは?

掲載日:2022年10月17日

更新日:2022年10月17日

1. 5S活動とは

5S活動とは「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾(しつけ)」の5つの活動のことであり、 それぞれの頭文字のSを取って名づけられました。
5S活動は職場環境の改善に大きく貢献しています。
僕がいた工場でも定期的に5S活動がおこなわれていました。
僕は製造業に勤めるまで5Sという言葉を知りませんでしたが、 製造業において5S活動は従業員全員が定期的におこなっていると 言っても過言ではないほど重要な活動のひとつでした。
今回は5S活動について僕の経験を踏まえて、紹介していこうと思います。

2. 5S活動の詳細

先述した通り、5S活動は「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾(しつけ)」の5つの項目から成り立っています。
「整理整頓」という言葉は皆さんもよく知っていると思いますが、「整理」と「整頓」はどのように違うか分かるでしょうか?
しっかりと説明できる人は少ないでしょう。

[整理]

整理とは必要なものと不要なものを仕分ける作業のことで、 必要なものは整頓し、不要なものは処分します。
工場でも作業で使っていない部品や工具が工程に置いてあることがあります。
僕の工程では作業で使う部品の中に違う工程で使う部品が混ざっていることがあったので、 使う部品と使わない部品を整理していました。

[整頓]

整頓とは物を正しい位置に置く作業のことです。
元の位置に戻すとは少し異なり、 正しい位置とは物を使うときに便利な位置ということです。
マンガの巻数を順番通りに並び替えるのも整頓になります。
僕の工程ではいろんな種類の工具を使っていました。
そのため工具の配置を試行錯誤していました。

[清掃]

清掃は言葉通り、掃除をします。
また工具の点検を定期的におこない、異常がないか確認することも清掃の活動の中に含まれます。
製造業では油を使っているので、足元に垂れてしまうことがあります。
そのまま放置していると油が垂れていることに気づかず、転倒してしまうリスクがあります。
またライン作業で毎回、工具を使うため工具の点検を怠っていると、工具が破損したときに思わぬ事故にあってしまうリスクがあります。
清掃は労働災害を防ぐためにも、非常に重要な活動になります。
僕自身、工場で最も重点的におこなっていた5S活動でした。

[清潔]

清潔も言葉通り、清掃してキレイになった状態を保つことです。
キレイになった状態を保つためには整理・整頓・清掃の3Sを定期的におこなう必要があります。
つまり清潔は3Sをおこなうことを意識させるために必要な項目です。
工場では多くの人や物が出入りしているためすぐに汚れてしまいます。
そのため頻繁に掃除をして清潔な状態を保っていました。

[躾(しつけ)]

躾には「子供を躾ける」などというように「礼儀や作法を教え込む」という意味があります。
つまり5Sにおける躾とは5Sを教え込み、 整理から清潔までの作業を他の作業者にも習慣づけさせるという意味があります。
工場で定期的に5S活動がおこなわれていたのはこの躾の部分が大きかったのだと思います。

5S活動では以上の活動をおこなっていました。
僕のいた工場では各工程ごとに5S活動の評価表が設置されており、各項目ごとに評価がありました。
その評価を参考に活動することでより快適な状態で作業をすることができるようになります。

3. 製造業で経験した5S

工場では始業開始から定時まで(日によっては定時後も)ライン作業をしています。
そのため5S活動は基本的にライン作業終了後におこないます。
しかし何かしらの原因でラインが長時間止まっているときがあります。
そういった場合、近くの作業者の方と一緒に清掃することが多かったです。
一緒に清掃しながら、少し会話をして普段接点のない人とコミュニケーションを取ることができました。
また僕がいた工場では半月に1回工具の点検をおこなう日が決まっていました。
点検したら工具に貼っているテープを違う色のテープに貼りかえ、 点検したことを目で見て分かるようにしています。
工場では毎日ライン作業をおこなっているため、日頃から工程の改善方法について考えています。
試行錯誤して自分の作業の負担を少しでも減らしますが、それでも工程の改善案が尽きません。
作業内容も少しずつ変わっていきます。
1年でどれほど作業が変わったか覚えていないくらい作業内容が変更されました。
変更内容はさほど変わりませんが、少しの変化でも作業のやりづらさはかなり変わります。

4. 最後に

ちなみに英語でも日本同様に5Sというそうで、それぞれ

  • Sorting(整理)
  • Setting-in-Order(整頓)
  • Shining(清掃)
  • Standardizing(清潔)
  • Sustaining the Discipline(躾)

となるそうです。
直訳すると仕分け、正しい位置に置く、ピカピカする、標準化、規律を維持する、とだいたい日本語の意味と同じになります。
最近は製造業やサービス業だけでなく様々な会社で実施されています。
他の業種では「整理」「整頓」「清潔」の3つで3Sと呼ばれるところもあります。
製造業で働こうと考えている人は必ずすることになります。
自分自身で工程の配置について考えることで、 自分の作業について考える良い機会になったと思います。
工具の配置についてただ作業する場所の近くに置くのではなく、 工具を手に取る際や元の位置に戻す際に ケガをしないような配置をすることが大切だと学びました。
日々の作業で必要なものや物の位置について考え、 作業しやすい環境を作っていただけたら幸いです。

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